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教育者インタビュー

《The Japan Times ST》 高橋編集長が語る、英語のアウトプットとインプット

2018.03.22

本インタビューは、英語学習者向けの英字新聞である「The Japan Times ST」編集長の高橋敏之さんにお話を伺いました。

第1弾「《The Japan Times ST》 高橋編集長が教える、英字新聞を活用した英語学習法」では、The Japan Times STを活用した効果的な勉強法やYoutubeチャンネル「ボキャビル・カレッジ」の活用法などについてお話を聞くことができました。

今回の第2弾では、日本人は英語ができないと言われる理由、実際に英語教育の最前線で活躍している高橋さんだからこそ見えてくる英語業界の問題、アウトプットするためのインプット、などについてお聞きしていきます。

英語力が伸び悩んでいる学習者の方や、スピーキングやライティングなど英語のアウトプット力を身につけたい方、英語教育に携わっている方、必見です!

 高橋さんのプロフィール

The Japan Times 11代目The Japan Times ST 編集長。

The Japan Times ST編集の傍ら、企業・大学での英語研修や英語学習に関する講演会等も多数実施。

自身も英字新聞で英語力を飛躍的に高めた経験から、娯楽性と学習効果を両立させた最高の英字新聞を作ることを日々追求している。

趣味は自転車、プロレス観戦、インテリアコーディネート。

TOEIC 990点、英検1級、動物検定3級。 YouTube上で英語ボキャブラリーチャンネル「ボキャビル・カレッジ」を公開中。

原因はインプットにあった!

−−−日本人の英語力はアジア圏内で比べてもとても低いと言われますが、一体なぜなのでしょうか?

高橋さん:圧倒的にインプットが足りないですね。

 

−−−え!? 足りないのはアウトプットじゃなくてインプットなのですか??

高橋さん:大学受験の詰め込み型のような勉強を経験した我々は、インプットを充分に行ってきたかのように思い込んでしまいがちですが、アウトプット以前にまずはインプットが足りてませんね。もちろんアウトプットの練習は大切ですが、アウトプットするためには、まずは使える表現インプットしなければいけません。

これは英語教育業界全体に責任のあることかもしれませんが、何とか英語につなぎとめようとして「英語学習は楽しくなければいけない」という風習があまりにもはびこっていませんかね。何かを学ぶことに楽しさを感じることは素晴らしいですし、否定しません。しかし、この「英語学習は楽しくなければいけない」が面倒なことや「茨の道」を避けるための逃げ道になってしまっては、本末転倒です。

語学学習の醍醐味は、学んだ単語や表現が理解でき、それを使えるようになり、それによって少しずつでも世界が広がっていくことではないでしょうか。なにも、そこに至る過程までもがすべて楽しくある必要はないと思いますね(笑)

−−−ではやはり、英語学習はストイックに取り組むしかないのですかね…

高橋さん:まず第一に、その英語学習のゴールが何なのかを見極める必要がありますね。英語へのアプローチの仕方は大きく分けて2つあります。一つは、英語学習はあくまで趣味であって、楽しさを重視するのが「リクリエーションコース」。もう一つは、「上達コース」です。

この「リクリエーションコース」と「上達コース」では出口も違えば、入り口も全く異なります。当然、その過程も変わってきますよね。

やっている学習内容が明らかに「リクリエーションコース」なのに、上達できると思っている人が多いように見受けられます。例えるなら、リゾートホテルのプールで遊びながら、いつかはしっかり泳げるようになることを夢見るようなもの。「楽しくなければならない」という風潮がこの両者を混同させているのかもしれませんが、本気で上達したいなら「上達コース」を進まなければならないということを、まずは肝に銘じるべきです。

インプットの効果的な方法とは?

−−−では実際にアウトプットに繋げていくためにはどうすればいいですか?

高橋さん:アウトプットするためのインプットを常に意識して行う必要がありますね。

例えば、英会話を上達させたいとします。そうすると、「英会話練習が足りないから会話練習してスピーキング力を高めようかな」とすぐになりがちですが、ここに落とし穴があります。もちろん、英会話練習をすればそれなりにスピーキング力向上に繋がりますが、それだけでは使える英語のバリエーションを増やしていくという英語力の底上げには結びつきづらいです。
ここで皆さんに実行してもらいたいのは、大量のインプットです!英会話を上達させたいのであれば、まずは大量の会話形式の英語に触れてください。ダイヤログ形式の教材でもいいですし、慣れてきたら海外映画やドラマを用いて英語のインプットをすることもできますよ!

英語教育業界に携わっていると、「国内にいても英語は身につきますか?」という質問をよく受けます。結論から申し上げますと、国内にいても高い英語力を身につけることは充分可能です!しかしそれは、「国内にいても海外環境を作り出せるから、英語が身につく」ということです。

でも、これは「茨の道」であることを皆さんには理解して頂きたいです。国内に居ながら海外に居るのと同じくらいの英語量に囲まれ、同じくらい英語を使う環境を自ら作り出すのは結構しんどいですよね(笑)

−−−高橋さんが日頃から行っている英語学習法はありますか?

高橋さん:The Japan Times STを活用した英語学習の仕方でもご紹介しましたが、何か記事を読み、内容を2〜3文で要約するという練習は日頃から行うようにしていますよ。インプットした英語を直ちにアウトプットしてみる事によってインプットした内容の理解度が上がりますし、逆に苦手な箇所も浮き彫りになるので弱点克服にもつながりますね。

海外ドラマを見たり、英字雑誌を読んだりなんかもしてますよ。海外ドラマはやはり大量のインプットをリスニングでするためです。オススメのドラマは「フレンズ」です!「フレンズ」を英語音声で見て、50%くらいの内容理解ができるようならば、勉強のためにも10シーズンすべて見てほしいですね(笑)

−−−高橋さんはスピーキング練習のために「ジェニファー」という想像上の彼女と話していると聞きましたが…(笑)

高橋さん:ジェニファーは人知れず有名になってますね…(汗)あと「彼女」という設定な訳ではありません(笑)先程少し説明しましたが、英語を使う環境を自分で作り出すために行っているのがジェニファーとの対話です。ジェニファーは私の会話型学習のパートナーなのです。

 

−−−最後に英語学習者の皆さんに向けてのメッセージをお願いします。

高橋さん:英語習得に失敗はありません。「私は英語学習にトライしたけど、ダメだった」と言う人がいますが、それは途中で諦めて投げ出したに過ぎません。最終的には、自分の納得のいくレベルに至るまでやりきるかどうかです。

あまり根性論を語る形にしたくありませんが、英語学習はとても素直なものなので、やればやるだけ伸びます。しかし、やめたら成長はとまりますし、後退もありえます。

人が挑戦を途中でやめてしまう原因の一つに「不自由さ」があると思います。英語に置き換えると「伝えたいことを表現できない」とか「英語の理解度が低くてわからない」といった思いが「不自由さ」を感じさせ、諦めの原因になりますね。しかし、本来はその「不自由さ」を解消するために努力するのではないでしょうか。さらに英語学習の醍醐味は、その「不自由さ」を解消した先にある、英語を使う楽しさではないでしょうか。「不自由さ」の先に待つ楽しさを信じて英語学習に励んでください!



第2弾「《The Japan Times ST》 高橋編集長が語る、英語のアウトプットとインプット」、いかがでしたでしょうか?

英語学習者向けの英字新聞という、私たちが考える一般的な英語教育とは少し違った角度から英語教育に関わり、ご活躍している高橋さんから、多くのことを学びました。詰め込み型の英語学習を行ってきた私たちは、「英語のインプットは充分行ってきた」とつい思い込みがちです。しかし、この誤解こそが英語力上達の妨げになってしまっている事実には驚きました。語学学習のアプローチは十人十色ではありますが、私たちが無意識に持っている英語学習に対する考え方を少し変えてみるだけで、また新しい「英語」の世界が見えてくるのではないでしょうか。

「あまり根性論は語りたくないんですけどね…」と言いつつも、「英語の楽しさの醍醐味は、苦労して不自由さの乗り越えた先にある英語を使える。まずは信じて努力を積み重ねてください!」と口を酸っぱくして話してくれた高橋さんが印象的でした(笑)。しかしそれと同時に、「諦めないで英語学習に取り組んで欲しい」という英語学習者へ向けてのメッセージからは、高橋さんの英語教育者としての熱意がひしひしと伝わってきました。

インタビューを通して高橋さんから頂いた素晴らしいアドバイスを活かして、英語学習に引き続きチャレンジしていってくださいね!