英語で科学を探求!REDプログラムで世界に羽ばたく中高生を育てる

武蔵学園はテンプル大学ジャパンキャンパス(以下、TUJ)との協力の下で、「REDプログラム」という中高生向けの特別なプログラムを都内で行っている。

REDの頭文字はそれぞれ”Research”, “Essay”, “Debate”から取ったものだ。その名の通り、英語で探求し、英語で書き、英語で議論する取り組みだ。「イマージョン・プログラム」と呼ばれる英語学習法を採り入れ、海外大学へ進学する能力を持った中高生を育てようとしている。


イマージョン・プログラムとは

イマージョン・プログラムとは、様々な教科をすべて外国語で学ぶことによって、外国語も習得する学習法である。イマージョン(immersion)とは、「浸す」「没頭する」という意味を持つ英単語immerseに由来していて、まさに「英語漬け」による英語学習とも言える。「英語を」学ぶのではなく、「英語で」学ぶ教育とは、実際のところどのようなものなのだろうか。

今回、「REDプログラム」の最終発表の様子を伺うことができた。そこから、これからの時代に求められる英語学習法について考えていきたい。


プレゼンテーション

アインシュタインの「一般相対性理論」についてのプレゼンを行う生徒

この日は、生徒たちが最終発表を行うプログラムの最終日。これまでに行ってきた個人研究の集大成として、それぞれの研究内容を発表する。プレゼンテーションのテーマは、「相対性理論」や「音楽が健康に与える影響」「犯罪心理学」まで様々だ。専門用語を含めて、英語を見事に操る彼らは、風格を感じさせるほど堂々としている。

5分ほどのプレゼンテーションの後には、個別ブースでの発表がある。プレゼン自体の目的は、自分の研究の導入部分を説明し、個別ブースでの発表への導線を作ることだった。そのため、生徒たちはできるだけ自分の研究に興味を持ってもらえるよう、工夫を凝らしたプレゼンを心がけていた。例えば、青色LEDに関しての研究を行った生徒は、このように発表を締めくくっている。

どうして青色LEDだけが特別なのでしょうか?

「青色LEDを開発した3人の日本人科学者が、ノーベル物理学賞を受賞したニュースは有名ですね。赤色LEDや緑色LEDが比較的早い段階で簡単に発見されたのに対し、青色LEDの発見がここまで難しかったのはなぜでしょうか。答えを知りたい方は僕のブースまで来てください!」

聞き手の好奇心をくすぐるプレゼンテーションほど優れているものはない。研究の奥深さだけではなく、興味を持ってもらうためのアピールの仕方を学ベることもREDプログラムの特徴だろう。

個別ブースにて保護者に研究の発表を行う生徒たち


REDのプログラム

REDのプログラムには、夏期集中の一部合宿形式で行われる「サマープログラム」と、週2回放課後に通う形式の「イブニングプログラム」がある。

サマープログラム

8月に週5日×3週間通う夏期集中型のプログラムです。9時から16時まで、まさに英語漬けの環境で過ごすことにより、短期夏期留学に匹敵する高いイマージョン効果を実現します。中学2年生向けの国内キャンプや、高校1年生向けの海外研修等、密度の濃い内容の企画を進めています。

イブニングプログラム

9月から翌年6月までを1年とし、週2回、放課後に通うプログラムです。授業はすべて英語で行われるイマージョン方式で、広い意味での科学をテーマにRED(Research、Essay-writing、Debate)を実現します。

今回私たちが訪れたのは、放課後に通う形式の「イブニングプログラム」の発表会。今回はもっとも難易度が高いグレード3のクラスで、中学2年生~高校2年生の生徒が参加*。わずか週2回の授業でここまで英語を流暢に使いこなせるようになるとは、にわかに信じがたい。ここまで生徒を成長させる秘訣は、一体どこにあるのだろうか。

*クラスはグレード1、グレード2、グレード3の3つ。英語力やREDプログラム参加経験などを勘案の上、決定される。


答えが一つしかない科学を探求することで、好奇心を刺激する

医学博士を取得しているマーニ・クエノ先生

生徒たちの日々の成長を見守って来たTUJのRED担当講師、マーニ・クエノ先生はこのように語る。

「科学を用いることで、生徒の好奇心を刺激することができます。文学や哲学などのテーマでは答えがたくさん考えられますが、科学の場合、正解は一つだけです。一つの答えを目指して興味のある一つのトピックを継続的に深く研究することで、生徒の英語と科学に関する知見がレンガのように積み上げられていきます。」

米国の中高生が実際に使う教科書を用いて授業を行い、生徒は関心のあるトピックを自分で見つける。そうしているうちに、生徒たちは自身で英語力を伸ばしていくのだという。

「RED入学後間もない頃は、全く英語を使えなかった生徒も多くいました。彼らが当初行ったプレゼンの映像を見たら驚きますよ。今では科学に限らず日常会話もスムーズにこなすのだから驚きです。この間は、カナダに研修旅行に行ったときの話を詳細にしてくれましたよ。」

物理学博士ニルグュン・クラン先生(中央)と生徒たち

生徒たちからは、以下のような声を聞くことができた。

「日本語でコミュニケーションを取るのとは違う楽しさがあっていい。自由な雰囲気だと思う。」

「グループワークをみんなでやる感じが、学校ではできないので良かった」

プログラムの最終日を迎えた生徒たちは、これまでの経験を振り返りながら、先生方との記念写真の撮影に勤しんでいた。彼らにはこの経験を活かして、これから世界に大きく羽ばたいて欲しいと思う一日だった。


名称  | Musashi Temple RED Programs

主催  | 学校法人根津育英会武蔵学園

内容  | 科学を中心とする英語によるimmersion教育

目標  | 英語圏の大学に直接進学・留学を目指す。海外の大学に進学・留学後、進学先の奨学金を獲得し、語学研修を経ずに、現地の教員、学生との討論に参加できる能力を涵養する。

開催場所|  Evening Programs:RED九段教室

Summer Programs:武蔵学園江古田キャンパス、RED九段教室 *グレード1、2は国内キャンプ、グレード3は海外研修を予定

開催期間|  Evening Programs:9月-翌年6月 30週間

Summer Programs:8月 3週間

進路情報|  高校生にはTOEFL®︎、IELTS、SAT®︎、GCEなどの受験準備も

英語圏大学の進路情報提供と進学相談

備考  |  このプログラムは、武蔵学園がテンプル大学ジャパンキャンパスの協力の下に開催するものです

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