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英語勉強法

米Appleを経て英語学校ブライチャー創立。松井博氏の英語学習法

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アメリカのApple本社での勤務経験があり、現在はセブ島で英語学校「ブライチャー(Brighture English Academy)」を経営している松井博さんに、英語4技能教育について伺いしました。TOEIC満点でネイティブなみの英語力があっても、自分の英語はまだまだとおっしゃる松井さん。どんな立派なルーツをお持ちなのかと探りはじめると、なんと勉強はできない方だったと言います。現在に至るまでの苦労話や経験談を語っていただきました。

いくつもの壁を乗り越えた英語学習

中学時代は英語を丸暗記、高校時代は不良だった!?

中学生で初めて英語に触れたころ、英文科出身の母の勧めで、英語の教科書をひたすら丸暗記したんです。この丸暗記が、後々効いてきました。

高校のころはちょっとグレていて、補導されたこともあったんです。勉強なんて全くしてませんでしたよ。やがてにっちもさっちもいかなくなって、交換留学生の募集に応募してみたんです。そうしたら、何か事務手続きの間違いだったとしか思えないけど、合格しちゃったんですよね。これはまずいことになったって、焦りました。

初めてのアメリカ交換留学でぶつかった壁

アメリカ行きは決まったけど、それでもやっぱり勉強しなかったんです。そのまま渡航して、案の定苦労しました。今みたいにインターネットなんて無いし、国際電話も高額で簡単に助けを求めることもできず、英語を話せないことが急に死活問題に発展しました。

英語で会話をするとき、日本語の内容を英語に翻訳して話す、そして相手が話す英語の返答を日本語に翻訳して聞いているうちは、英語を上手く話すことはできません。留学先では最初「う~….あ~….」と言いながら翻訳しているうちに「コイツは英語が喋れない」と思われ、相手にされなくなりました。

なんとか自分への興味をもってもらうために、翻訳作業を止めてスピード重視で話すようにしました。中学で英語を英語のまま丸暗記していたことが活きて、まわりの日本人よりも留学先の環境に適応する時間が短く済んだ気がします。交換留学に投げ込まれたおかげで、翻訳グセがなくなりました。

交換留学を終えて見つけた自分の進む道

帰国後は「英語で、理系の勉強がしたい」という思いを胸に、海外大学への進学を決意しました。起きてる時間の半分以上は英語を勉強して、他の教科は全く勉強しませんでした。勉強に使ったのは、洋書、単語帳、TOEFLの問題集だけ。シンプルですが効果は充分でした。

英語を勉強していくうちに、学習の仕方そのものを習得し、不思議と他の教科の成績も上がったんです。やがて日本の大学にも進学できるくらいの学力になったのですが、初志貫徹ということで海外の大学へ進学しました。

念願の海外大学へ進学!またぶつかった壁

高校時代の留学経験のおかげで、快適な大学生活をおくることができたかというと、そうはいきませんでした。書く訓練を全くしていなかったから、レポートやエッセイの課題が大量に出されて苦労しました。留学したからにはやり抜きたいという想いから、大学内で文章を添削してくれる施設に通い詰めました。ここで英語を書く力がだいぶ伸びましたね。

帰国後は日本で就職するも企業文化に馴染めず、またもや壁

帰国後、日系メーカーに就職しましたが、アメリカに馴染みすぎたせいか会社の雰囲気を窮屈に感じてしまい、職を転々としていました。そんな中で出会ったのが、Apple Japanの派遣社員の仕事でした。海外とのやりとりが多く、外国人スタッフも多いため、英語でコミュニケーションを取る環境で久しぶりに英語を使えて楽しかったです。大学で培った英語力をベースとして、今度はビジネス英語を学ぶためにさらに勉強を重ねました。

スティーブ・ジョブズの下で働く責任

ビジネスでも通用する英語力が身についたところで、以前から誘いを受けていたアメリカのApple本社への異動を決意しました。Apple本社での仕事は、やりがいも大きい一方、かなりハードでした。

管理職として現地の社員へ指示を出す立場になったことで、また新たに「人を使うための英語」を勉強する必要が生じました。自分が英語のネイティブスピーカーでないという甘えは一切許されません。レポートを提出したらスティーブ・ジョブズまで届いちゃうような環境だったから、慎重に英語を使う必要もありました。

英語教育への思いと熱意を胸に、英語学校Brightureを設立

英語をバリバリ使い、Apple製品を世界中に送り出しながらも、次第に社内政治に嫌気がさして、Apple本社を退職しました。その後は妻と保育園を始めたり、執筆活動に励んだりして過ごしました。そろそろ新しいことを始めたいと思って設立したのが、2015年6月に開校した英語学校ブライチャー(Brighture)でした。

日本の英語教育への複雑な思い

Apple本社に勤めていたころ、駐在員の日本人に英語を教えていたことがあったんです。そのとき、日本の英語教育はなにか根本的に間違ってるなと、何度も思いました。正しい発音を教えないから、ローマ字やカタカナ英語に縛られて変な発音をしてる。和訳中心の授業のせいで、頭の中で翻訳する癖がついちゃって、英語を話すのに時間がかかる。日本の英語教育について思うところはたくさんあります。

自分が変えられる範囲で英語教育を変えたい!家族と一緒に英語学習

日本の英語教育に疑問があるなら、自分流の英語学習法を確立しようと決起し、妻と子供に協力してもらいました。フォニックスの強化、そして英語を英語のまま覚えるようにして、英単語帳の裏には日本語ではなく絵を描くように教えました。とにかくたくさん書いて、読むように工夫した結果、妻も子どももあっという間に英語を話せるようになりました。やり方次第で日本の大人の英語力を変えられる!と確信しましたね。

僕は政府の偉い人ではないので、日本の英語教育を変えることはできないけど、自分が変えられる範囲で英語教育を変えたいと思ったのがブライチャー設立のきっかけの1つです。

ブライチャーのコンセプト

ブライチャーのコンセプトは「スパイラルラーニング」です。「憶える→浸る→使う」をスパイラルのように繰り返します。

まず重要なのは「憶える」こと、いわゆるインプットです。日本語もそうですが、単語が頭に入っていなければ、読めないし、聞けないし、ましてや話すことも書くこともできないですよね。英語学習は半分以上、暗記です。

憶えたら次は「浸る」です。洋書、ラジオ、ニュース、YouTube……何でもいいので、とにかく英語に触れる機会を増やし、1つの単語が多様な文脈で使われる場面に遭遇してほしいです。このプロセスの重要性は、子どもを見ているとわかります。子どもは何か新しい言葉を憶えてもすぐには使わず、色々な場面で遭遇するその単語の例文をためていくんです。「憶えた」言葉に何度も出会い「浸る」ことで、ある日「使う」ことができるようになります。

ブライチャーのカリキュラム

ブライチャーでは発音を根本から教えています。日本人をカタカナ英語の呪縛から解放すべく、徹底的に直します。日本語は子音の後に必ず母音がつくから、英語を話すときもそうやって発音しようとするし、英語風に話そうとして巻き舌で発音したりするから、変なところにRの音を入れる。これじゃ何を言っているのかわからないんです。

ブライチャーは基本的にマンツーマンレッスンだけど、日本人に馴染みのない「英語でのモノの捉え方」については集団授業があります。たとえば、可算名詞、不可算名詞、冠詞、時制など。加えて、週1でテーマは自由のプレゼンテーションをしてもらいます。1人1人の英語の総合力が露わになり、なかなか面白いですよ。

入学したからには全てのカリキュラムに徹底して取り組んでほしいです。これはやりたいけど、それはやりたくないっていう人は、他の学校に行ってくれという考えです。

英語4技能習得のポイントは3つ


英語4技能の習得に大切なことは、3つあると思います。

1つ目は、正しい発音を身に付けること。正確な発音がわかるだけで、今まで聞きとれなかった単語が聞こえるようになるし、話すときも通じる。そもそも格好いいでしょ。

2つ目は、英語のモノの考え方を理解すること。たとえば、英語を喋る際の「時間軸」の意識の仕方。英語独特の時間の捉え方「完了形」を意識できるようにならなければ、英語を使いこなすことはできません。

3つ目は、とにかく量をこなすこと。呼吸するのと同じように、英語を身に付けるための努力を習慣化する。僕も英語を話せるようになって30年経つけど、今でも朝起きたら英語のラジオを聞くことを続けています。がむしゃらに勉強して、突然パッとやめちゃうのはもったいないです。毎朝顔を洗うように、当たり前のこととして、英語を勉強すること。これが習得化のコツです。

ある程度英語ができるようになったら「英語を学ぶ」から「英語で学ぶ」に移行することも大事です。英語で何か習い事を始めたりするのは有効だと思います。英語をツールとして使うことで、さらに自分の能力に足りないところがみえてくるので、それをまた埋めるように勉強する。この繰り返しです。

大切なのは、しつこさ

僕はしつこいんです。だから、別に地頭がいいわけじゃないけど、しつこく続けているうちに人よりもできるようになったんです。合気道もコンピュータもそうだったし、英語もそう。何をするにも、しつこさは重要だと、皆さんにも伝えたいですね。

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