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教育者インタビュー

山田暢彦が語る、4技能で勉強した方が短時間で英語を習得できる

2015.10.27
インタビュー山田暢彦先生山田暢彦
英会話コーチ、ベストセラー作家。アメリカのニュージャージー州で生まれ育ち、大学進学時に日本へ移住。「使える英語」をモットーに、小学生から社会人まで幅広い層に英語を指導している。著書に、中学校の英語参考書として絶大な人気を誇る『中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。』(学研)など。TOEIC連続満点、国連英検特A級、英検1級。現在、家庭教師のトライの映像授業「Try IT」に出演中。

今回は、バイリンガルでネイティブスピーカーである山田先生に、日本の英語教育の課題と4技能で英語を学んでいく重要性、そして英語学習のコツを伺った。

-ネイティブスピーカーの山田先生の目から、日本の英語教育の現状はどのように映りますか?

日本の英語教育は、4技能のバランスがとにかく悪いと思います。リーディング問題中心の大学・高校入試に起因すると思いますが、とにかく読みに偏りすぎている。文法や読解の訓練は非常に大切ですし、決して疎かにしてはいけませんが、これはさすがに「やり過ぎ」です。

偏った英語教育が行われてきた結果、多くの日本人はアウトプット(話す・書く)の仕方を知らず、「これだけ英語を勉強したのに自分は話せない」という苦手意識だけが残っています。これはとても残念なことです。でも、決して彼らのせいではないんです。アウトプットを訓練させてもらえなかったので、話せるわけがない、ということです。

では、どうしてそもそも、こんなに文法・読解に偏ってしまったのか? それは、これまでの日本の英語教育がそもそも、話せるようになることを目指していなかったからだと思います。海外の文献など、高度な「読み」ができるようになることが一番の目標でした。難解な文章を短い期間で正確に読めるようになるには、細かい文法や語法の知識、和訳の訓練などが欠かせませんね。だから、ここに指導が集中したのです。現在、かなり多くの日本人が簡単な文章なら読めますし、一部の人は海外の雑誌なども読めるようになっているので、ある意味、日本の英語教育は目標を達成していると言えます。

ただ、これからの時代、海外とのコミュニケーションを前提にした「実用的な英語」「使える英語」を身につけることが目標ならば、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能をすべて学習しなければなりません。日本語だって、「読む」しかできなかったら、とても困りますよね。こうしてインタビューを受けることも、友達とおしゃべりしたりすることもできません。4技能ができないと、コミュニケーションに支障が出ます。4技能を学習することで、初めて「使える英語」が身につきます。

また、実は4技能を学習するメリットは他にもあります。これまでの指導で僕が実感しているのは、「4技能を総合的に学習することで、英語はより簡単に身につく」ということです。

4技能を体験したことがない方には意外に思われるかもしれませんが、たとえば読解力をつけたい場合、ひたすら読む練習をすればいいかと言うと、そうではない。長文を耳で聞いたり(リスニング)、自分の口で話したりすることで(スピーキング)、かえって読む力が伸びます。これは、読解に必要なスキル、たとえば英語の語順のまま素早く意味を取る力や、書き手の意図を汲み取る力がリスニングやスピーキングによって養われるからです。

こうして技能間で素晴らしい相乗効果が生まれ、英語力を底から総合的に支えてくれるのです。

4技能の勉強をしようとすると、スピーキングなど、勉強することが増えて難しくなると思われがちですが、逆に英語学習が加速して楽になりますし、楽しくなります。より使える英語が、より簡単に身につく訳です。これは素晴らしいことじゃないですか?

-大学の入試改革は今、2技能から4技能の流れを生んでいますが、これは良い変化と考えていいでしょうか?

入試改革には賛成です。言語を身につけるには、その言葉を習得する「必要性」がまずないといけないのですが、日本は非英語圏で、日常生活で英語を話す必要がありませんね。なので、英語(学習)の価値を実感しにくい環境にあります。

となると、別の手段で必要性を生み出さなくてはいけない。その1つが、入試だと思います。試験を勉強の目的にすることについては賛否両論がありますが、実際、多くの子供たちが入試に向けて日々、一生懸命勉強していますよね。入試が、強いモチベーションとなっています。

ならば、入試が生み出すこのモチベーションをうまく活用して4技能の流れ、特にごまかしのきかないライティングとスピーキングを勉強する流れを生み出していく、というのは良いことだと思います。

ただ、その代わり、偏った「対策」では決して合格できない、本物の運用力を測る4技能試験でなければなりませんね。そのような試験が開発されることを期待しています。

こういった試験を意識した指導を行う中で、「日本語では得られない情報を英語で入手する」「外国人と触れ合う」「英語学習を通じて日本を振り返る」—— そういったことの楽しさや意義に生徒が少しずつ目覚めていくような授業展開ができれば、最高ですね。

現状では、多くの子供にとって英語を使うことが「非日常」になってしまっています。これはとてもよくありません。今後は、教室内で英語を口にするのは「当たり前」という文化・習慣を作り上げることが大事だと思います。この入試改革が、日本で「英語を使う必然性」を作るきっかけになってくれたらと思います。

私は現在、「家庭教師のトライ」から映像授業サービスを出しているのですが、中学生向けの英語授業を行っています。中学英語は文法に偏りすぎず、実際に英会話で使う英語の要素をたくさん含んでいて、英会話のベースとなる部分です。中学という早い時期に、英語を使う環境を作る手助けが出来ることにすごく意義を感じています。実は、昔はTOEICを教えていたりもしてましたが、日本人に英語を実際に使えるようになって欲しいというのが私の考えでしたので、今は英語学習者がいかに「英語を使う」ことが出来るようになるかを中心において英語を教えています。

-ネイティブスピーカーの山田先生が考える英語学習のコツはありますか?

まずは、「英語ができないのは、自分がいけないからだ」と思わないことです。外国語を覚えるのはとても大変なことなので、できるだけ楽に考えて楽しく勉強することです。じわじわと半歩ずつ前進するものなので、焦らずにじっくりと取り組んでください。

上記を踏まえて、実際に勉強をするときは、次の3つのことに気をつけて勉強すると良いと思います。

  1. インプットの後は必ずアウトプット
  2. 「発音」を大事に
  3. カタマリで英文を捉えよう
  1. インプットの後は必ずアウトプット

読んで、訳して、終わり。それだけでは、使える英語は身につきません。読んだあとは、必ず自分で英語をアウトプットしましょう。内容理解の問題に英語で答えたり、文章を要約してみたり、感想・意見を述べてみたり。書き手のメッセージを意識しながら「音読」するのも効果的です。

こうしてアウトプットにこだわって勉強することで、「話す力」「書く力」はもちろんのこと、実は「読む力」「聞く力」も伸びます。なぜなら、アウトプットする(話す・書く)には、そもそも正しくインプット(聞く・読む)できていないといけないからです。アウトプットにこだわると、英文を読む際、どのような文法や構文が使われているかの分析よりも、自然と文章の「内容そのもの」にもっと注意するようになります。書き手は、何が言いたいのか? 今どんな状況で、どんなメッセージを伝えようとしているのか? 「内容そのもの」に意識が向くことで、それを伝える手段である「文法・語彙」がかえって効果的に身につきます。単に知識として理解するのではなく、手段として「使う」からです。文法・語彙は、使うことでしか身につかないのです。

現場の先生方にもぜひ「インプットの後のアウトプット」を促す授業を実践していただければと願っています。

  1. 「発音」を大事に

発音をきちんと練習することは、ただ単に発音がよくなること以外に、いろいろな利点があります。発音がよくなると、自分の英語が相手に伝わりやすくなります。また、英語の「リスニング」もよくなります。正しく発音できる単語・文は、正しく聞けるからです。さらに、リスニング力が上がると、前から英文の意味を取る習慣がつき、リーディングのスピードもあがります。そして、さらに! 発音がよくなると、英語学習がすごく楽しくなります。好きな歌がうまく歌えると気持ちがいいように、英語の音を上手に口に出せると、純粋に嬉しいものです。少しずつネイティブのような発音に近づいてくると、大きなモチベーションになるでしょう。こういった気持ちの部分は、英語学習ではとても大事です。ぜひ、CD音声などを活用して、そっくり真似する練習を取り入れましょう。

  1. カタマリで英語を捉えよう

“I went to Shibuya to talk with Best Teacher about English education in Japan.” 
14語の長めの文章ですが、言っていることは3つだけです。

“I went to Shibuya”(渋谷に行った)
↓(どうして?)
 “to talk with Best Teacher” (ベストティーチャーと話すために)
↓(何について?)
“about English education in Japan.”(日本の英語教育について)

<主語+動詞>で文の土台を作ったあと、「どうして?」「何について?」などと細かい情報をカタマリで付け足していく。これがネイティブの感覚です。こうして英文をとらえる習慣をつけると、英語がとても理解しやすくなります。

「前からカタマリで」英文の意味を取る力をつけるために、よく日本の英語学習者がやる、「文のおしりから日本語に訳していく」という読み方(返り読み)を僕は絶対禁止にしています。そもそも日本語と英語の語順は違います。英語は英語の語順で理解していかなければ、本物の英語力は身につきません。こうした「英語らしさ」から逃げるのではなく、むしろ真正面から向き合って吸収することで、より自然に、よりラクに使えるようになります。

-最後に、英語学習をする方へのメッセージをお願いします。

中学生・高校生の皆さんの中には、「英語=文法・読解」というイメージを持つ人がまだ多いと思いますが、本当は、4技能全部をまとめて「英語」です。先ほども少し触れましたが、もし僕たちが日本語を「読む」ことしかできず、話したり書いたりできなかったら、コミュニケーションが不自由になりますよね。英語も同じです。今後は、学校や受験でも、英語の4技能が当たり前のものとして注目されるはずです。それに先取りして、皆さんはいち早く、4技能の「使える英語」を身につけましょう! 将来、絶対に「やってよかった!」と思うはずです。先駆者として、ぜひがんばってくださいね。Good luck!

インタビュー山田暢彦先生2

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