【大学入試共通テストと民間4技能試験の活用】~第3回~ 対象となる外部検定試験の概要

第3回 対象となる外部検定試験の概要

毎年約50万人もの受験生が全国で受験する、現在の大学入試センター試験に代わる大学入学共通テスト。その一環として活用する民間資格・検定試験ですから、そこに参加するためには多岐にわたる厳しい条件をクリアしなければなりません。特に大学入試で活用されることを考慮すると、公平性(試験ごとの内容や難易度、会場や受験料等の受けやすさ、採点の均質性、成績・評価の等化性など)がとりわけ重要です。

2020年度の試験として今回参加を認められたのは、次表の民間試験です。

受験者としては、会場の利便性や実施回数、試験の難易度などが気になるところですが、表のように、現在のところこれらについても試験の種類により大きな違いがあります。

注:英検®️については2018年度より開始となる「英検CBT®️」、2019年度開始予定の「英検2020 2 days S-Interview®️」および「英検2020 1 day S-CBT®️」が対象となります。

試験名称 実施回数 実施会場 検定料(円) 測定領域(CEFR)
ケンブリッチ英語検定 2~4 *1 全国10地区 9,720~
25,380
A1 ~ C2 *1 難易度により8種類のテスト
英検®️ 2~9 *1 全都道府県 5,800~
16,500
A1 ~ C1 *1 従来の1次・2次試験形式は対象外
GTEC 2~4 *1 全都道府県 6,700~
9,720
A1 ~ C1 *1 難易度により3種類のテスト
IELTS 22~24 *1 全国
9~10地区 *2
25,380 A1 ~ C2 実施団体がブリティッシュ・カウンシルtpIDP:IELTS Australiaの2つあり
TEAP 3 全都道府県 15,000 A2 ~ C1
TEAP CBT 3 全国6地区 15,000 A2 ~ C1
TOEFL iBT 28 全国10地区 約25,000
($235 US)
B1 ~ C1
TOEIC L&R/
TOEIC S&W
L&R 8
S&W 18
L&R 全都道府県
S&W 全国10地区
L&R 5,725
S&W 10,260
A1 ~ C1

*1 : 試験の種類(難易度)によって異なる。
*2 : 実施主体によって異なる。
*上記は2018年度の実施状況をもとにしたデータ。今後変更となることもある。

外部試験の出願や受検の方法は、次図のとおりです。

大学入学共通テストの一環として外部試験を受験できるのは、高3の4月から12月に実施される試験を2回までと制限されます。受験生はどの外部試験を大学入試で利用するのかを予め決めておき、その外部試験の受検申込の際に申請する必要があります。(図の①)その後受検(図の②)した試験結果は各試験の実施団体から大学入試センターに通知されるとともに、受検者には志望大学に出願する際に必要となる「資格・検定試験成績請求票」が送付されます。(図の③)

次に受験生は9月下旬から開始となる大学入学共通テストの出願をし(図の❶)、1月中旬に受験します。(図の❸)なお、同テストの受験票は12月中旬に受験生のもとに送付されます。

(図の❷)受験生は予め受検した外部試験と大学入学共通テストの成績を参考に、各大学(国公立大および大学入学共通テスト活用私大)に出願(図の❹)をしますが、その際に願書と一緒に事前に各実施団体から送付された「資格・検定試験成績請求票」を送付します。

各大学は志願者から送られてきたこの請求票を大学入試センターに送り(図の❺)、各志願者の外部試験の成績を受け取り(図の❻)、各大学が実施する個別試験(図の❼)の結果と合わせて合否判定を行います。(このような仕組み全体を「大学入試英語成績提供システム」と呼びます。)

このように受験生は、高3の4月以降様々な試験の選択と出願・受験をしなければなりません。外部試験といっても受験条件や試験の性格が異なる様々な試験がありますので、受験全体のことも考慮しながら各自に最適な試験を、最適なタイミングで受験する工夫が必要となります。

(本記事は、SAPIX YOZEMI GROUP発行『大学入学共通テストA to Z』掲載の記事を一部加筆・修正したものです。)


第4回:各大学の活用方針等

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