2017年を生きる日本人に求められる語学力はこれだ

連載:今さら聞けない、英語4技能って何?

第4回: 2017年を生きる日本人に求められる語学力はこれだ

連載第四回

グローバル化やITの普及を背景とする、これからの日本人に求められる外国語力とは、どのような力なのでしょう。今後求められる外国語力としては、前回(「第3回 国際化が急速に進む今の日本」)で触れた背景から考えると、「世界の共通語」「日常的なコミュニケーション力」「発信・受信力」といった点に特徴を備えた外国語力だといえるのではないでしょうか。

まず、外国語を使って情報がやり取りされるのはインターネットなどのIT技術を活用する方法が中心となりますので、その相手は特定の国や外国人に限られません。したがってそこで使われるのは、どの国にとっても「共通性の高い言語」の方が便利です。

また外国人との交流はこれまでのように国と国、組織と組織といったあらたまった関係だけでなく、むしろ今後は個人と個人の交流が増加すると考えられるため、これまでのようなフォーマルあるいはビジネス的な表現だけではなく、日常的なコミュニケーション力も重要になるでしょう。

さらに、情報のやり取りはこれまでのように「発信者」(主に外国人)と「受信者」(主に日本人)が固定されるのではなく、日本人であっても「受信者」であると同時に「発信者」にもなるという双方向性が大きな特徴となります。

このような事情から、「世界の共通語=英語」、「日常的なコミュニケーション力=リスニング・スピーキング力」「受信・発信力=リーディング力・ライティング力」という、いわゆる「英語の4技能」が重視されることになるのです。

これまでも、「実用英語」の運用力を高める必要性があるという声は多く、そのためには学校で学ぶ英語を改善しなければならないという意見が何度か主張されましたが、学校の英語が本格的に変わることはありませんでした。その理由のひとつは、これまで必要とされた実用英語というものは主に「ビジネス上の実用性」であり、また実際に必要とされる会社や人はごく限られたものだったため、国民全体の教育を変えるほどのインパクトにはならなかったという事情があります。

しかし、今回は上記のように「日常レベルでの必要性」であり、ITの発達と普及を背景に誰でもがコミュニケーションの主役になりうるというスタイル自体の変化が見られるため、すべての人にかかわる必要性として考えられているところが、これまでとは大きな違いです。


第5回:英語は第二公用語になる可能性がある


 

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