あなたはどの4技能試験を受験しますか?

連載:今さら聞けない、英語4技能って何?

第10回: あなたはどの4技能試験を受験しますか?

連載第十回

ここまで、主な4技能試験の特徴を見てきましたが、同じ4技能試験といっても、試験によって随分性格が違うことがおわかりいただけたと思います。それでは、どの試験を選んだらよいのかという問題に移りましょう。

この質問に対する答えは、一つではありません。

まず、どのような目的で4技能試験を受けようと思っているのかが大切です。たとえば、大学入試で利用したいと思うのであれば、受験を考えている大学が「どの試験で」「どのくらいのスコア(級)を要求しているのか」がポイントになります。そして、多くの方はただ1校だけを受験するわけではありませんので、受験する可能性のある大学すべてについて調べて、できるだけ多くの大学で活用できる試験や目標スコアという観点から選ぶことが大切になります。

2つめの観点は、皆さんの現在の英語力がどのようなレベルにあるのかに関わってきます。前回見たように、各試験は測定感度に違いがありますので、できるだけ皆さんの現在のレベルに近いところを詳しく測定できる試験を選んだ方がよいでしょう。というのは、わずか数点の違いで判定されるレベルが変わってしまうような、あまりに敏感な試験ですと皆さんの現在の英語力が正しく判定されませんし、皆さんが目標とするレベルまでの距離もよくわからないという事態に陥る可能性があるからです。

何か目標に向かって勉強するときに大切なことは、皆さんの「現在地」(現在のレベル)と「目標」(到達すべきレベル)の両方が明確につかめていることで、そこから「あと何を、どれくらい頑張ればよいのか」がわかるからこそ頑張れるのです。その意味では、同じ試験を続けて受ける方法以外にも、ひとつのレベルをクリアしたならば、次のレベルは皆さんの実力をより正確に測定できそうな試験を選ぶという方法も効果的ではないでしょうか。

また、受験チャンスの回数(実施回数)や受験料も、試験を選ぶ際には重要なポイントとなります。1回だけの受験ではなく、繰り返し受験することで英語力のアップを図るならば、この要素も重要です。

最後に、試験時間や問題の量、問題の難易度も重要な選択条件です。これについては、本サイトの関連記事を参考にしていただいたり、各試験のホームページや過去に出題された問題を集めた過去問集なども出版されていますので、参考にしてください。


第11回:4技能化が完了したら、次は中身の勝負になる


 

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