主な4技能試験と、国産有利なのはなぜ?

連載:今さら聞けない、英語4技能って何?

第8回: 主な4技能試験と、国産有利なのはなぜ?

連載第八回

英語の4技能試験で、有名なのはTOEFLです。TOEFLとは、Test of English as a Foreign Language(外国語としての英語力試験)の略称で、アメリカ合衆国のNPOである教育試験サービス (ETS)が主催しています。

主に、非英語圏の出身者を対象に、英語圏の高等教育機関が入学希望者の外国語としての英語力を判定する際に用いられています。つまり、合衆国の大学などが海外からの留学生について、入学後も大学教育についていける程度の英語力があるかどうかを試す試験ですが、そもそも合衆国は移民が多いため米国籍であっても英語力に不安のある入学希望者が多数存在し、事前に英語力を確認する必要があったこともこの試験の発端のひとつでした。この試験は開始から既に50年以上の歴史をもち、現在は合衆国以外にも、世界130 か国 9,000 以上の大学や機関に認められています。(TOFLEホームページによる)

TOEFLが主に高等教育への進学を視点に置いているのに対して、英語を母語としない者を対象に、英語による日常的なコミュニケーション能力を検定するための試験として実施されているのがTOEICです。

TOEICとは、Test of English for International Communicationの略称で、TOEFLと同じETSが主催しています。このテストは1979年、日本経済団体連合会(経団連)と当時の通商産業省の要請に応えてETSが開発したものですが、現在は世界各地で利用されています。非英語圏では、雇用や人事評価の際など主にビジネス上で用いられることが多いようです。

TOEFLが合衆国を中心とするのに対して、ヨーロッパではケンブリッジ英検が広く普及しています。この試験は1858年にイギリスのケンブリッジ大学によって設立された試験機構(NPO)が主催する試験で、約130カ国で年間300万人が受験しています。また、世界中で10,000を超える企業・学校・政府等の団体で英語力を証明する試験として評価されています。(ケンブリッジ英検ホームページによる)

ケンブリッジ大学英語検定機構がブリティッシュ・カウンシル、IDP Educationと協同で運営している試験に、IELTS(International English Language Testing System)があります。

これも英語の熟練度を測る英語検定の1つで、アカデミック・モジュール(Academic Module、大学や他の高等教育機関への出願のためのテスト)とジェネラル・トレーニング・モジュール(General Training Module、一般的な生活、仕事や、移住関係に関わる英語のテスト)の2種類があり、旧イギリス連邦の各国(英・豪・加・ニュージーランド・南ア等)を中心に活用されています。


第9回:これだけ見れば分かる! 主な4技能試験の特徴


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