TOEFL iBTは「アカデミック英語」の理解度を測る英語4技能試験です。「アカデミック=学術的」と考えると難しく感じますが、アカデミックの語義としては「大学の」「一般教養としての」という意味の方が強く、社会で必要となる、より身近で実践的な知識と考えれば学習がそこまで苦にならないはずです。
そこで本記事では、効果的なTOEFL iBTのリーディング対策方法と、リーディング対策として有効活用できるWebサイトをご紹介します。TOEFL iBT初心者や、アカデミック英語のリーディング対策で苦労している方は必見です!
目次
対策① TOEFL iBTでよく出るトピックを知ろう
TOEFL iBTリーディング対策として、まずはよく出るトピックについて知っておくことが効果的です。以下に頻出トピックをまとめました。
- 自然科学
- 植物学
- 動物学
- 歴史
- 社会学
- 地学
- 心理学
- 教育
- 気候学
どのようなトピックが出るかはテスト本番になるまでわかりません。トピックを予想し事前に準備することは難しいのですが、上記で挙げたトピックに関するアカデミックな(教養レベルの)文章を読み慣れることで、本番でも焦らずに対応することができます。
もちろん、上記に挙げたトピック以外は勉強しなくてもいい、というわけではありません。幅広い知識を英語で身に付けることが重要です。
TOEFL iBTリーディング対策におすすめのサイト
アカデミックなボキャブラリーを増やすには、上記で紹介したトピックに関する文章を日常的に読むことが大事です。そこで、英語でさまざまなアカデミックトピックを読むことができるおすすめサイトをご紹介します。まずは気になった記事から気軽に読んでみて、徐々に興味の幅を広げてみてはいかがでしょうか。
News in Levels
最新の世界のニュースを、ご自身の英語レベルに合わせて3段階から選べます。英語レベルを測る簡単なテストも付いています。
Extensive Reading Central
英語のレベルが1〜20で設定された読み物から、任意のレベルで絞り込んで、自分に合った記事を検索できます。
TIME for Kids
TIMEの記事が「大人向き」と「子ども向き」で用意されていて、大人は生年月で、子どもは幼稚園〜小学校6年生の学年で英語のレベルを区切って表示できます。
National Geographic
世界中のすばらしい写真と一緒に記事を楽しむことができます。
Smart News(アプリ)
設定>各国版>インターナショナルを選択すると英語版になります。
対策② 質問の種類を知ろう
TOEFL iBTリーディングテストの問題の形式を知っておくことも、対策として効果的です。以下に問題の形式(全10種類)をまとめました。
1. パッセージ(長文)内の情報に関する問題
2. パッセージ内に「書かれていない」情報に関する問題
3. パッセージ内の単語に相当する類義語を選択肢から選ぶ問題
4. パッセージに関する著者の意図についての問題
5. パッセージ内の一部分と同じ意味の文を、選択肢から選ぶ問題
6. パッセージ内に「書かれていない」ものの、強く暗示している内容を選択肢から選ぶ問題
7. 関係代名詞(which, whose, thatなど)について、著者の意図を読み取る問題
8. 提示された1つの文章をパッセージに加えるとしたら、 どこが適切かを答える問題
9. パッセージのメインアイデア(趣旨)を表わす文を選択肢より3つ選ぶ問題
10. 指示に従って選択肢を分類する問題
※ 上記のうち、どの種類の問題が出るかはテスト本番になるまでわかりません。
TOEFL iBTの問題でよく使われる単語
また、質問でよく使われる単語の意味を理解しておくことで、何について答えるべきかが明確になります。以下に問題の指示としてよく使われる単語をまとめました。
- to illustrate(描写する)
- to explain(説明する)
- to contrast(比較する)
- to refute(反論する)
- to note(注意する)
- to support(支持する)
- to infer (推測する)
- to imply(暗示する)
対策③ パッセージの流れを理解しよう
次に、アカデミックパッセージで使われる「話の展開方法」をご紹介します。冒頭でも触れたように、TOEFL iBTは大学の一般教養を意識した内容となっていますので、あるテーマについていくつかの観点から事実や意見が示され、それを論理的に考察する構成のパッセージが多く取り上げられます。
全てのパッセージに当てはまるわけではありませんが、基本的な流れの型をおさえておくことで、内容を予測しながら読み進める助けになります。
【パッセージの基本的な流れ】
トピックに関する一般論、予備知識の紹介
↓
最新の情報
↓
研究や調査によって、最新の情報が正しいか、または間違っているかの議論
↓
現状に至った原因、状況を変えるための手段や可能性
↓
結論、将来の展望
TOEFL iBTのパッセージを読む際の5つのポイント
TOEFL iBTリーディングテストの目的は「読んだ英文から何かを学ぶこと」ではなく、「読んだ英文から正しい解答(情報)を導き出すこと」です。そのためには、ただパッセージを読むだけではなく、注意するべきポイントがあります。
以下にパッセージを読む際に気をつけるべき5つのポイントをまとめました。
ポイント1. 情報の性格と繋がりを整理しながら読む
パッセージを読みながら「この段落はメインアイデア(趣旨)に関する事例」「この段落は研究者の反対意見」など、情報の性格と繋がりを意識するようにしましょう。
ポイント2. 関係代名詞に注意する
パッセージを論理的に読み解くには、文章と文章のつながりを理解する必要があります。とくにwhich, whose, thatなどの関係代名詞が表わすものに注意しましょう。関係代名詞が指すものを正しく把握することで、何について話しているかを見失わずに読み進める助けになります。
ポイント3. 一字一句読まないようにする
TOEFL iBTのリーディングテストでは、54〜72分間の制限時間で、30〜40問に解答しなければなりません。パッセージを一字一句丁寧に読んでいると、時間が足りなくなる恐れがあります。効率よく問題を解くためにも、アカデミックパッセージは一字一句読まないようにしましょう。
ポイント4. 必ず読むべき箇所をおさえる
パッセージを一言一句読まない代わりに、必ず読むべき3箇所についてお伝えします。
①イントロダクション(最初の段落):どのようなテーマのパッセージかをつかむ。
②各段落の最初と最後の文章 :どのような論点について、どのような見解かをつかむ。
③コンクルージョン(最後の段落):全体の結論をつかむ。
上記3箇所に目を通すことで、パッセージのメインアイデア(趣旨)を理解する助けになります。
ポイント5. 修飾語(形容詞、副詞)に注意する
文章内の修飾語ひとつで文章全体の意味がガラッと変わる場合があります。正しい解答を導き出すためには、修飾語を読み飛ばさないように注意が必要です。
【修飾語の例】
極端な状態を表わす修飾語
all, always, never, only など
頻度を表わす修飾語
usually, sometimes, almost など
度合いを表わす修飾語
some, most, almost all など
対策④ 読むスピードを上げよう
TOEFL iBTリーディングテストでは、54〜72分間の制限時間で30〜40問に解答するため、いかに速く英文を読めるかどうかがカギとなります。そのためには、受験に向けて英文を読むスピードを上げることが効果的です。
日々できる対策として、タイマーを任意の時間にセットして英語の記事を読むことをおすすめします。制限時間を設け、その時間を徐々に短くすることで読むスピードを意識できるようになります。
対策⑤ アカデミックワードリストをおさえよう
日常的に学術的な英語のコンテンツ(読み物)を読むことの最大のメリットは、ボキャブラリーが豊富になることです。とくに、アカデミックな文章でよく使われる「アカデミック・ワード」に慣れることができます。
「アカデミックワードリスト」は、大学などで扱う学術的な読み物の中でよく使われる英単語をまとめたリストです。本リストの単語の意味をおさえることで、アカデミックな文章を理解するのに充分な読解力がつくと言われています。
「アカデミックワードリスト」は以下のリンクをご参照ください。
出典元:The Academic Word List (AWL)
まとめ
TOEFL iBTに向けた効果的なリーディング対策方法はおさえられましたか?世の中にはさまざまな対策方法がありますが、本記事で紹介した対策法を使えば、TOEFL iBTに向けたリーディングスキルが上がること間違いなしです。皆さんのTOEFL iBT受験を応援しています!
次回の「教えて!ジェイソン先生」では、本記事で紹介した対策法とWebサイトを実際に使った勉強の様子をご紹介します。▼こちら!▼