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教育者インタビュー

「英語は誰でもカリスマになれる幸せな科目」ドラゴンイングリッシュ竹岡広信

2015.12.11


竹岡 広信 プロフィール

・竹岡塾主宰
・駿台予備学校講師
・洛南高等学校非常勤講師

竹岡先生は東大を目指す全国の高校生から絶大な支持を集め、人気漫画『ドラゴン桜』の英語教師のモデルとなりました。また、NHK『プロフェッショナル仕事の流儀』にも取り上げられるなど、カリスマ的人気を誇ります。そんな竹岡先生に、日本の英語教育についてインタビューしました。

これまでどのような思いで英語指導されて来たのでしょうか?

私は京都大学に入学した18歳のときから36年間、受験生の英語指導をやってきました。その当時から日本のおかしな英語をなんとかしたい、話せないのはありえない、と思っていました。そこで、工学部から文学部に編入して、改めて英語の勉強をしました。実は、私は英語が大嫌いで、数学が大好きで、教育実習も数学担当でした。当然、新しい英単語を覚えることも嫌いだったので、自分なりに単語を覚えられる方法を考え出しました。今でも英語を教えることは好きですが、英語は嫌いです(笑)

でも、英語ができない生徒の気持ちを理解できるため、私が英語嫌いなのは指導するときの強みだと思っています。

例えば、炎を意味する「Flame」という単語と、赤い鳥のフラミンゴを意味する「Flamingo」という単語があります。Flameは赤くてFlamingoも赤い。このように「Flame」という新しい単語を覚えるためにフラミンゴを連想する。こうやって、英単語を関連付けながら覚える方が100倍楽しいですね。でも生徒に教える時には、難しく聞こえしまうので語源という言葉は使いません。このように、生徒に英語を面白いと思ってもらえることが重要だと考えています。

日本の英語教育について、どのように思われますか?

もし、10年前に同じ質問を問われたら、「日本の英語教育は腐っている」と答えていたと思います。でも最近、ようやく20代前半に思い描いていた話せる英語教育が実現しつつあると感じます。

ただ、少し危険な部分もあると考えています。例えば文部科学省では、授業を全て英語で行うオール・イングリッシュにしてくという方針が出されていますが、これは極端ですね。そもそもオール・イングリッシュでの指導には、大きな勘違いがあります。イギリス人の友人にも言われますが、全世界的に見ると英語の授業の80%の時間は、話たり書いたりする生徒の作業の時間なのです。つまり、先生はオマケなのです。

体育の先生のような指導があるべき姿ですね。例えば、50分のサッカーの授業があったとして、黒板を使ってサッカーの理論を教えるだけではサッカーはうまくなりません。そんなの面白くもないし、何の意味もありません。でもそのような意味のない授業をこれまでの日本の英語教育はやってきたのです。本当にサッカーの実力を伸ばすのであれば、授業時間以外に自分で練習することが一番伸びるのです。50分の授業だけではサッカーは上手くならないことを体育の先生は知っています。ルールはやりながら覚えていくものです。そこを主体と考えると、これまでの英語の授業のやり方が、いかに非効率かが分かります。

そもそも先生が教えてやろう、という姿勢がよくないです。だから理想の教育は生徒が主導の授業です。私の授業では、ほとんど生徒が主体的に学習します。最初に勉強法を教えて、後は自分でやる以外に方法はありません。

今は、私はオマケです。いない方がよい。これは長年の講師歴で気がつきました。実は、今日(インタビュー当日)も私が担当する予備校の授業が大阪と京都であるのですが、今日の授業に私はいないので、完全自習です(笑)もちろん課題は出してありますが、生徒たちはみんな自主的に学習していると思います。私は、生徒が自主的に勉強するのが一番伸びると思っています。嫌がってやっても何も意味がありません。

どうすれば英語を勉強することが楽しくなるでしょうか?

やはり、英語は自分で話せて、聞けて、読めると面白いと感じますよね。でも、そこに至るまでには苦労の期間が必要です。楽しくなるまでの勉強で面白くないと感じたら、そのやり方を変えるしかないです。無理にやっているからしんどいのです。でも、ある程度語彙を入れていかないと読めません。だから単語も無理に覚えず、楽しく覚えられる方がよい。そのような理由で、私はFlameとFlamingoのように少しでも英単語を楽しく覚えられる方法を指導しています。

英語は幸せな科目である。

出店でもらった金魚でも、大きな水槽で育てると大きく育つと言います。これを学校教育に置き換えると、私はこれまで、高校生は英検でいうと2級くらいのレベルかなと思っていました。つまり、高校1年生は1年生なりの英語を勉強するべきというイメージで、制限していたということですね。でも今は、それは間違いであることに気がつきました。高校1年生でも、東大レベルのような基準が高いことを要求すると、人は順応してきます。そういうふうに教えていくと、高校生でも英検1級を取る生徒が出てきます。

それから、TOEIC満点をうたう人は、意外と大学受験で失敗している人が多いですね。受験に失敗した分を取り返すために、資格を獲得したのかもしれません。その点、東大ではTOEIC満点をうたう人は少ないですね。東大ブランドがあるので。でもこれは逆に言えば、大学受験で失敗しても英語は努力で挽回できるということです。私だって英語は苦手科目でした。

私の教え子のひとりに、英語が苦手な生徒がいました。大学受験では思うような結果にならなかったのですが、それから10年以上コツコツと英語の勉強を続けて、英検1級に合格し、TOEICも970点獲得するまで伸びたと聞きました。

私は18歳から36年間受験指導をしていますが、毎日生徒からの質問に10個答えると、1年で3,600個、それを30年やると10万個ぐらいの質問に答えてきていることになります。そこまでやると、答えられない質問はなくなります。これを英語に置き換えると、1日10個新しい単語を覚えるとすると、30年後には10万個覚えていることになります。そこまで覚えられると英語のカリスマですね。TOEICなどの試験においても、受け続けて満点を複数回獲得できればカリスマです。

数学や将棋などは努力だけではなく才能も必要なので、大人が小学生と勝負して負けることもありえます。英語は能力に関係なく努力でカリスマになれる幸せな科目です。

大学入試に4技能試験が導入されているのは良い流れなのでしょうか?

良い流れだと思います。ただ、大きな間違いもあります。私はこれまで「受験」とコミュニケーションは別物だと思っていました。しかし、コミュニケーション能力がないと受験で結果を出せないということに最近気がつきました。
例えばここに英作文の問題があります。

「自然の中では、多くの不都合に耐えなければならない。自然の厳しさを知る。」

これを英作文するとします。コミュニケーション能力がないときは、「耐える」とか「不都合なもの」を意味する英単語を使って英作文すると思います。でも、それは「伝える」ことではなく、ただ「訳」したいだけ。問題文に出てくる「不都合なこと」とはどういう事態なのかというと、「川まで行って、飯ごうでご飯を炊こうと思ったら、火がつかない」みたいなイメージですよね。ですので、それを英語にすると

「It is very difficult for you what you want to do.(あなたのやりたいことをやるのは難しい)」

これで大丈夫なのです。「自然は厳しい」という日本語を、「Nature is harsh」と訳すようでは全く伝わらない。しかしながら、昔はこのような伝わらない英語ばかり教えていました。英作文で重要なことは、伝えたいことをイメージすることです。訳す必要はありません。

これは、スピーキングにおいても同じことが言えます。伝えたいことの全体ではなく、一部の単語だけで考えるからだめなのです。例えば、世界情勢を英語で表すのにもWorld affairsではなく、What is going on in the worldみたいな感じで充分なのです。
これまでの英作文教育のやり方が間違っていたため、その延長のスピーキングもだめになってしまったのです。まずは、自分の思いをある程度伝えられる訓練をする必要がありますね。

日本の英語教育が大きく変わったのが、平成3年ぐらいです。このときから、英語の参考書を作るのに英語ネイティブの添削が加わりました。それまでは、英作文の答えも悲惨でしたね。その後、センター試験にも英米人によるチェックが入るようになりました。つまり、それまではすべて日本人だけでやっていたということです。

しかし、ここで問題なのがすべて英米人の言いなりになることです。最近は「ネイティブはこんな英語を話さない!」みたいな本が流行ったりしますよね。そして、自信を失った英語教員が全否定され、その延長でオール・イングリッシュみたいな極端な英語教育になってしまうのです。

4技能試験の導入は、日本人の英語力を上げるきっかけになるでしょうか?

試験を有効活用することは、日本人の特性にはあっていると思います。知り合いの私立大学の英語教員によると、いつも生徒は勉強しないようなのですが、授業の最後にテストをすると告知すると、急にやる気を出すと言っていました(笑) このように、日本人を鼓舞させるのはテストです。だから、英検とかTOEICとかみんな大好きですよね。

私の高校時代、リスニングは英語マニアがやる勉強でした。でも今は、センター試験に入っているので、みんながリスニングの勉強をするようになった。これは正しく試験の影響ですよね。このことは、今後のライティングやスピーキングにも当てはまると考えられるので、試験は4技能でやるべきだと思いますね。

そして、「なんで英語をやるのか?」をもっと意識するべきだと思います。
多くの日本人が中学1年生のときに英語を強制的に勉強させられると、英語だけではなく外国語が嫌いになってしまうかもしれません。だから、中国語とかフランス語とか選択肢があってもいいと思いますね。

世界には英語を話せる人はたくさんいますが、込み入った話をできる人はそんなに多くはいません。楽しめるレベルでもいいのです。だから、4技能になることには賛成ですが、その先に何があるかを意識することが更に重要だと思います。

英語学習者へメッセージをお願いします。

受験生にはいつも言っていますが、「英語」は言語であることを認識して欲しいと思います。そして、英語を話したいのであれば、大きな声で話しましょう。英語は腹式呼吸で話す言語なので、大きな声で言わないと伝わりません。また、外国人はあまり相槌を打たないので、彼らにじーっと凝視されることに耐える忍耐力も必要です。慌てずゆっくり、大きな声で話しましょう。

日本語でも言葉を選びながら話す人もいます。早口で流暢にカッコつけて話す必要性はありません。相手はあなたの意見が聞きたいのです。内容があるからこそカッコイイのです。

英語が出来なくたって、恥ずかしいことはないのです。皆さんはフランス語ができなくて恥ずかしいと思いますか?

日本人は英語を話せるという状態のハードルが非常に高いですが、人の英語を評価する必要はありません。例えば、以前外国人の友人に英語で野球の犠牲フライを表す「Sacrifice flyを知っているか?」と聞いたことがありますが、彼は「僕は野球に全く興味がないから、そんなこと知らないよ」と自信満々に言ってきました。

日本だと自分の興味の有無にかかわらず、常識的なことを知らないのは恥ずかしいみたいな風潮がありますが、欧米人は違います。彼らは、外国語を少しでも話せたら、「話せる」と言います。少しでも話せたら、自信を持ってください。

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