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生徒の英語力の実態は?

2017.04.01

連載:教育者のための英語4技能教室

第2回: 生徒の英語力の実態は?

実は英語教育を重視する動きは既に始まっていて、たとえば文科省は2013年から施行された現在の高等学校学習指導要領において、高校では「英語の授業は英語で行うことを基本とする」という方針を明示しています(*1)。また、中学校についても、2018年度より同様の方針を適用することになっています(*2)。

*1「高等学校学習指導要領」2008年公示。

*2「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」2013年策定。

 

これに対して現在、高校の英語授業で実際に「英語による授業」を積極的に実施している教員は、担当する授業の種類によっても異なりますが、34~50%となっています。また、中学校における実施率は学年により、55~58%となっていて(*3)、「英語で英語の授業」を先に課題とされた高校の方が、その実施率は低くなっています。高校の方が説明内容が複雑となり、英語だけの説明では生徒が理解できないため、というのがよく言われる理由です。

*3 文科省「英語教育実施状況調査」(2015年)で、授業の半分以上を英語で行っている割合。

さて、「英語で英語の授業」を行うためには、当然教員自身の英語力(特に、英語による説明力)が一定以上のレベルに達していなければならないことは自明です。そこで、文科省は英語教員の英語力を保証する目安として、中学・高校教員に対して「英検準1級(または、TOEFL iBT 80点程度)以上」を取得するように指導しています。

上図はここ数年に関する、中学・高校英語教員の英検準1級相当以上の取得状況です。中学・高校とも、わずかずつ取得割合が上昇していますが、高校で60%弱、中学に関しては30%ほどにとどまっていて、英語教育で求められる英語力や英語による指導力については不安を感じさせる現状となっています。

もちろん、英検準1級相当という資格だけが教員の英語力や英語による指導力を裏打ちするものではありませんが、少なくとも国の方針として資格取得が示されている以上、これに応える客観的な証明を示すことは社会的責任と言えるのではないでしょうか。また、客観的な形で自らの能力を示していくことは授業に対する信頼感を得る上でも有効なはずです。

教員の英語力や英語による指導力の現状がこのような状態であるのに対して、肝心の生徒の英語力は伸びているのでしょうか。文科省は生徒の英語力についても目安を示していて、中学終了までに「英検3級程度」の生徒が、また高校卒業時までに「英検準2級以上」の生徒が、それぞれ全体の50%を超えることを目標として示しています(*4)。

*4 生徒・教員の目標はいずれも「第2期教育振興基本計画」(2013年決定)による。

さらに、2020年度以降は小学校でも英語を教科として教えることになるので、生徒の到達目標のレベルを中学は「英検3級以上」に、高校は「英検2級以上」にそれぞれ引き上げるとしています(*5)。

*5 前掲「グローバル化に対応した英語教育改革実施 計画」。

この目標に対して、生徒の現状は上図のとおりです。中学・高校とも取得率は年々上昇しているものの、現在のところ目標を達成できている生徒は35%前後です。

生徒の英語力については、もうひとつ興味深い特徴が別の調査で示されています(*6)。この調査では、英語と母国語の距離感が近い日本と韓国の高校生について英語力を比較し、「総合的には韓国が日本を上回っている。技能別にみると、韓国がリーディング、リスニングで、日本がライティングで、他方を上回っていた。・・・・日常での英語使用経験についても、韓国の生徒は日本の生徒よりも大幅に経験率が高」いと分析しています。

*6 ベネッセ教育総合研究所「東アジア高校英語教育GTEC調査2006」。

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