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受験者インタビュー

埼玉県公立高校の英語教員が語る、英検1級を取得した後も自分を高めたい理由

2016.03.16

先月、英語教員の教職課程に統一指針 英検準一級目標にという記事が出るなど、英語教員の英語力への疑念と英検取得についての話題が盛り上がっています。今回は、英検1級を取得したという埼玉県公立高校 英語教諭 清水 健先生にお話を伺ってきました。

清水先生

– 清水先生のご経歴を教えてください。

大学を卒業した後は、学習塾で働きました。その後、埼玉で英語教員をしています。英語教員になって26年ほど経ちます。

– 英検の取得級と、取得時期を教えてください。

2010年度に第3回で英検1級を取得しました。

– 英検を取得しようと思ったきっかけを教えてください。

中学3年のときに英検3級、大学で英検2級を受験して合格しました。けれど、それっきりしばらく受験しませんでした。時代は移り、準1級も新設され、英検2級保有は英語教員としてプロなのか?という思いが芽生え、英検1級に何とか合格したいと強く思うようになりました。また、生徒に英検何級なのですか?と聞かれて、2級ですと回答するのが恥ずかしい気持ちがありました。現実にはなかなか準備がおぼつかず、10回以上受験してようやく合格できました。

– 2014年度英語教育調査では、英検準1級以上相当の英語力を有している教員は小学校が0.8%、中学校の英語担当教員が27.9%、高校の英語担当教員が52.7%となりましたが、これについてはいかかお考えでしょうか?

それについては個人差が大きいと感じております。教科書を使って「英語を教える」のが授業であり、かつては英検の対策講座が授業でないとよく言われてきました。最近は英検そのものが大学入試となってきていますので、英検を受験する方はさらに増えてきているのかもしれません。

– 取得されていない教員の中には、「英検準1級」の英語力を十分にお持ちなのに「忙しくて受験出来ていない」という教員もいらっしゃるのでしょうか?

それは当然おられると思います。個々の先生方について私がコメントするのは差し控えたいですが、英検の級=授業力ではないと思います。

– 文科省の担当者は「積極的に研修に参加し、外部試験で自らの力を測ってほしい」としていますが、研修に参加する時間はありますか?

この研修についても基本線として個々のものなので、コメントは差し控えたいですが、私自身は検定試験への挑戦を選んだということです。それによって多くの「英語の達人たち」出会い、成功者から学ぶ機会が得られました。

– 政府の教育振興基本計画は2017年度までに、教員は英検準1級以上を中学で50%、高校で75%との目標を掲げているが、達成できると思いますか?

英語教員の英語力向上についての話はよく新聞に出ています。先月も出ていましたが、 正直あまり良い気持ちはしていません。そもそも、英検を取ればよいのか?という論点もあると思います。資格取得そのものを目的とするのは少々危ういことなのではないか、大事なことを見失ってはいないかと感じています。

かつては押し寄せる欧米文化への真の理解のための英語翻訳から、英語がわかると洋画の台詞の本当の意味がわかったとか、洋楽のある曲に込められた本当のメッセージがわかったという個人の楽しみまで、人々が英語をなぜ勉強するのか?という大切な理由がたくさんあると思います。 近年は発信力が強く求められていて、英語を使って何をしたいのかが重要です。

英語はツールの一つですから。 例えば私がたどり着いた一つの結論は「日本のことを英語で正しく紹介したい」という夢を追い、それこそが「日本人だからこそできる英語」であるという考えに共感して「通訳案内士(英語)」になることでした。通訳案内士は2013年に合格しました。 英検上位級の取得を目指すことが学習の喜びを増進するという観点があれば 良い方向に行くのではないかと思います。

– 逆に生徒の英語力について、英検3級以上相当の英語力を有すると思われる中学生の割合は31.2%、英検準2級以上相当の英語力を有すると思われる高校生の割合は31.0%となっていますが、どのように感じていますでしょうか?

英語力=英検級ではないと思います。また、すべての高校生が英検を受験しているわけではありません。そうした中で、英検3級、準2級は公開されている過去問に沿って十分に準備すれば合格できると思います。2次面接で問う質問文も過去問題として公開されています。面接の場面では面接官は易しく言い直してはくれませんので、不合格の場合は対策に十分な時間をかけられていなかったのではないか、つまり面接の形式に十分に慣れていなかったのではないかと考えられます。

– 高大接続の最終報告が3月末にありますが、高校でどのくらい話題になっていますでしょうか?

認識のレベルは個人差があると思います。私自身は遅かれ早かれ来るであろうと思っていました。英検などの検定挑戦を始めていたのも、いずれは英会話力や英検級がキャリアとして問われ、人々の認識としても当然のものとなってくるだろうという思いがあったからです。追い詰められてから取り組むのは嫌なことだと思っていました。自分自身が「実践」してきたからこそ、次に続く人に「教える」ことができる、常に英語学習の「現役」でいたいと思っています。英検1級合格がすべてのゴールではないということです。

– 高大接続の最終報告案には基礎学力テスト(仮)と学力評価テスト(仮)で英語4技能を評価するとありますが、それについてどう思いますか? またそれにより高校で教え方を変えるなど動きはあるのでしょうか?

そもそも大きな枠組みの中で個々の工夫をするのが、私にとっての現実の授業なので、私自身は自分自身が学校外で培った英会話レッスンのノウハウを堂々と生徒に伝える時期が来たと認識して実践しています。

– 最後に、4skillsをご覧になっている教職員の方や、高校生の保護者の方、高校生にメッセージをお願いします。

「成功者から教えてもらおう」ということですね。 私自身なかなか結果が出せなかった者で、英検1級も準備もろくにできずに何度も落ちては問題の難易度ばかりに批判的であった時期がありましたが、英検1級連続合格者を果たし、その取組を教えてくださったある「成功者」のおかげで 「合格するまでやめない」という、ごく当たり前のことをようやく実現することができました。英検1級を足掛かりに「通訳案内士(英語)」、TOEIC(Aランク)と歩みを進めることができています。

大事にしたいのは、真の達人ならば成功者の真似ができるということです。「守・破・離」の「守」の部分ですね。今後も英語学習の現役としてネイティブでない自分がどこまで英語をものにできるか、という果てしない実験に楽しく挑みたいと思います。

 

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