on, in, to, at, by, for, with など英語にはさまざまな前置詞があり、英語で表現する際に重要な役割を果たしています。使い方としては、 日本語で言う「てにをは」などの助詞のような働きをするというイメージを持つと理解しやすいかもしれません。 前置詞は意味や用法が多数あるため難しいと感じることがあるかもしませんが、前置詞への理解を深めることは英語学習において大きな手助けとなることでしょう。
本記事では、前置詞の違いを英検3級二次試験の問題を想定した例題を用いてご紹介します。また、前置詞は前に置かれる単語によって決まる場合と、後ろに置かれる単語によって決まる場合がありますが、今回は主に後ろに置かれる単語に応じた前置詞の選び方という観点から解説を進めていきます。
英検®︎3級二次試験の問題
まずは試験の問題を簡単に確認します。英検3級二次試験では以下のような問題が出題されます。
問題カード(英文とイラストが印刷されたカード)の文章を音読 | 1問 |
文章に関する質問 | 1問 |
イラストに関する質問 | 2問 |
受験者自身に関する質問 | 2問 |
▼上記の項目についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください▼
【英検®︎3級スピーキング対策】二次試験・面接に合格するための解答のポイント
過去に出題された問題のテーマ
「受験者自身に関する質問」では、過去に以下のようなテーマの問題が出題されています。
携帯電話、ラジオを聴く、読書習慣、冬のスポーツ、朝市、四季
以下では英検3級二次試験の質問のうち「受験者に関する質問」で聞かれるようなテーマに沿った例題を参考にしながら前置詞の使い方を勉強していきます。
なお、今回ご紹介する前置詞の用法は、それぞれの前置詞の大まかなイメージをつかんでいただくためのものであり、あくまで原則的なイメージや用法です。試験の問題によっては、本記事を合致しない場合もありますが、その場合も、本記事でご紹介する原則を基本に用法を広げていけばいいでしょう。
onかinか
まずは、乗り物に乗っていることを示す場合に使う”on”と”in”について、例題を見ながら確認していきます。
例題①
Do you have a smartphone?
あなたはスマートフォンを持っていますか。
– Yes, I do.
はい、持っています。
Please tell me more.
さらに教えてください。
– I often use it when I am ( ) the train.
私はそれを電車に乗っているときによく使います。
例題①の( )には”on”と”in”どちらの前置詞が入るでしょうか。
“on”は「なにかと物理的に接している状況」を表わします。これが基本的な”on”のイメージです。日本語では「〜に接して」「〜で」と訳すことができます。
一方、”in”は「なにかに囲まれている」「なにかによって閉じられている」ような状況を表わします。「〜の中で」「〜の中に」といったイメージです。
話を例題に戻すと、乗り物に乗っている状況を考えるときに重要なのが「広さ」です。
基本イメージをもとに考えた場合、中に自由に歩けるような広いスペースがある乗り物には「物理的な接触」を表わす”on”、歩けるスペースがないような狭い乗り物には「閉じられている」要素が強い”in”を使うのが適当です。
今回の場合は”I am ( ) the train.”となっており、電車の中には歩けるほどのスペースがあるため”on”が適切だと言うことができます。
inかatか
続いては場所を表わすときに使うことができる前置詞として”in”と”at”を比較していきます。今回も例題を見ながら解説を進めていきます。
例題②
Do you read books?
あなたは本を読みますか。
– Yes, I do.
はい、読みます。
Where do you read them?
あなたはどこで本を読みますか。
– I read them ( ) school.
私は学校で本を読みます
“in”は先程も記載したように 「なにかに囲まれている」「なにかによって閉じられている」ような状況を表わすときに使うことができます。
一方、”at”は「ある特定の場所」や「ある特定の場所への到達」を表わします。地図に出てくるピンのようなイメージです。
例題②においては学校という「建物の中で」という意味ではなく、学校という「場所で」という意味が強いので、”at”を使うとよいでしょう。
たとえば、「教室の中で」というように、より具体的な空間の「中」にいることを示したいときには”in”を使うことができます。また、”in”は建物など形のあるものだけでなく、何かのグループに属しているニュアンスも表わすことができます。ちなみに、「学校」は単なる場所のほかに教育機関も意味するため、”I am in school”は「私は学校(という機関)に在籍しています。」という意味で使うことができます。
toかforか
ここでは「〜にとって/〜に対して」というときに使うことができる”to”と”for”のイメージをご紹介します。
例題③-1
Do you like to eat outside?
あなたは外食することが好きですか。
No, I don’t.
いいえ、好きではありません。
Why?
なぜですか。
(Because) it is not good ( ) our health (to eat outside).
(なぜなら)それ(外食すること)は我々の健康にとって良くないからです。
例題③-2
Do you like your family?
あなたはあなたの家族が好きですか。
-Yes, I do.
はい、好きです。
Why?
なぜですか。
(Because) they are kind ( ) me.
(なぜなら)彼らは私に対して優しいからです。
それぞれの例題の( )には”to”と”for”のどちらが入るでしょうか。
“to”も”for”も方向を表わすときに使いますが、”to”は 「直接的な影響」 や「対象」を表わすのに対して、”for”は「間接的な影響」や「目的」を表わす際に使います。
今回の例題2つを見てみると、③-1では、”To eat outside”(外食すること)は”our health”(我々の健康)にとって”not good”(良くない)ということを表現しようとしています。こういった場合、”It is ~ for ~ .” の形で”for”を使って表現することができます。今回の場合、「我々の健康」というものは実際に存在する「対象」ではなく達成したい「目的」であるため、「目的」を表わす”for”を使うほうがより正しいニュアンスを伝えることができます。
それに対して例題③-2では、”they(my family) are kind ( ) me.”のように”my family”が私という「対象」に対して「直接的な影響」を与えている状態を示しているため、”to”が適切な前置詞だと言うことができます。
まとめ
本記事のまとめとしてそれぞれの前置詞の基本イメージとシチュエーションごとの使い方を再度確認します。
基本イメージ
in:「なにかに囲まれている」「閉じられている」ような状況を表わす
on:「物理的に接している状況」「公共の乗り物に乗っている状況」を表わす
at:「ある特定の場所」「ある特定の場所への到達」を表わす
to: 「直接的な影響」 「対象」を表わす
for: 「間接的な影響」 「目的」を表わす
シチュエーションごとの使い方
【乗り物に乗っている】
on:歩けるくらいのスペースがあるとき
in:歩けるスペースがないようなとき
【場所を示す】
in:ある空間の「中」を強調したいとき
at:ある特定の場所を示すとき
【「~にとって/~に対して」を示す】
to:直接的な影響を示すとき
for:間接的な影響を示すとき
今回は英検3級二次試験を想定した問題を使いながら、前置詞の意味や使い方を確認してきました。前置詞は文脈や話し手の感覚によってさまざまな使い方ができるため臨機応変に対応する必要がありますが、前置詞の基本的な概念を学び、正確に使えるよう勉強することは英検3級二次試験だけでなく英語学習全般に役立つため、今後も前置詞を意識しながら学習に取り組み、英語に対する理解を深めていくようにしていただければ幸いです。
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