東京外国語大学、2019年度の入試から独自のスピーキング試験導入へ!

東京外国語大学は7日、2019年度から開設予定の新学部「国際日本学部」(仮称)の入試からスピーキング試験を導入する方針を明らかにした。そのための試験を、英国のブリティッシュ・カウンシルと共同開発する。2019年度から「国際日本学部」(仮称)で始め、2021年度からは、全学部の受験生約2000人に課す予定だ。実現すれば、国立大の一般入試でスピーキング試験を課すことは初の試みとなる。

既存の民間試験は入試に合わない?

2020年度から始まる「大学入学共通テスト(新テスト)」では、大学入試センターが認定した民間試験を、大学側が採用するか否かは判断できる。※国立大はマーク式試験と民間試験の両試験を採用することは決定している。

東京外大の個別試験の英語では、従来から「話す」以外の3技能を出題しており、加えてスピーキング試験の導入を検討していた。しかし、対面での試験は技術的に難しく、既存の民間試験の利用も検討していたが、以下の4つの難点があるという。

・入試日程に合わせた実施が難しい
・入試目的に作られていない
・スピーキングだけの採用が難しい
・段階別評価だと1点を争う合否判定に使いづらい

こうした課題をクリアする新たなテストの共同開発で同大とブリティッシュ・カウンシルは合意した。

新試験はコンピュータで、12分で11問

共同開発する新試験「BCT―S」は高校の学習指導要領に対応している。ブリティッシュ・カウンシルが企業や教育機関などに向けて実施している英語力評価試験「Aptis(アプティス)」をもとに、大学試験用のスピーキングテストを開発する。試験はコンピューターが出す11の質問に約12分間で答え、録音をトレーニングを受けた人が採点をする。成績は、得点と段階別(CEFR=ヨーロッパ言語共通参照枠)の2種類で提供される。

新試験「BCT―S」は他大学での導入も視野に

「BCT-S」は、共通テストの認定の申請を考えていないといい、大学の個別試験のためのテストという位置づけである。東京外国語大では、「(民間試験は入試の合否判定には使いづらいという)同じ悩みはいろんな大学が抱えている」(林佳世子副学長)とみており、「BCT-S」を他大での個別試験にも使ってもらいたい考えだ。

この記事を誰かに共有する